【共創の会ランチセッション】 クラシエの知育菓子事業の拡大展開

2022.07.01

【共創の会ランチセッション】 クラシエの知育菓子事業の拡大展開

「共創の会ランチセッション」は、Future Center Tokyoに参画しているトップマネジメントやリーダーの皆さんがランチタイムに集い、各社さまの取組みや、社会的に関心度の高いトピックについてプレゼンテーションをいただき、意見交換をする機会です。

今回は、2021 年10 ⽉から始まった第2期のFCA*卒業生代表として、クラシエフーズ株式会社 執行役員マーケティング室長の山内則夫さんに登壇いただきました。山内さんのキーノートスピーチを通して、FCAに集う次世代リーダーが、一体何を考え、どのような構想を描き、どんな成果を発揮しているのかについて紹介していきます。

クラシエ 次世代リーダー × Future Center Academy

新しいビジネスリーダーを創る「クラシエの知育菓子事業の拡大展開」

(写真)FCAでの山内さんの様子

知育菓子® 教育ビジネスへの転換 ~駄菓子からの脱却~

山内氏:本日は、「知育菓子®教育ビジネスへの転換 ~駄菓子からの脱却~」という主題で、知育菓子®事業のパーパスとクレイジーな目標、知育菓子®メソッド、現在の子ども関連ビジネス市場における知育菓子®のポジションについてお話します。

夢中な気持ちを一生ものに

山内氏:知育菓子®事業のパーパスとは、“子供たちが夢中になれる体験を通して、創造的思考を伸ばし、夢中になったときの気持ちを生涯心に残り続けるようにする”ことです。

知育菓子®で「自信を育む」

山内氏:そこで、自分のことをよく考えてみると、おそらく私は、3歳から13歳まで毎週1時間のバイオリンの習い事を通して自信を育むことができていたのではないか。また、それは今、知育菓子®で謳っていることではないか。つまり、今の知育菓子®を通して、「自信を育む」こと。これを目標として、子どもたちの将来の力になりたいと考えるようになりました。

また、知育菓子®には失敗という観念がありません。ちょっと間違っても、食べて終わり。途中で修正・変更も可能というような商品です。幼少期に大切なことは、ちょっとした小さい自信を積み重ねていくことなのです。このような気づきから、我々は「自信をつける習慣」をキーワードに、親世代、あるいは世の中の教育業界に知育菓子®を広めていきたいと考えています。知育菓子®のメソッドとは、子どもたちの自信を育むメカニズムなのです。

子ども関連ビジネス市場における知育菓子®のポジションとは

山内氏:子ども関連ビジネス市場は、約10兆円あるというふうに言われています。そこでのさらなる事業拡大を目指し、特に幼児学生向け教育通信教育にフォーカスすることになりました。この市場は約2兆円の規模で、1470億が通信教育、中でもベネッセが約85%のシェアを占めています。しかし、知育菓子®作りにおける主体のありかた、ノスタルジーの有無、そして満足感という3つの観点での相違から、我々はベネッセ教育と手を組むのではなく、戦っていきたいと考えています。

現在行っている具体的な事業についての紹介

山内氏:まずは、今の考えを、アカデミックに作り上げていくことです。事業を実現するには、やはり、子ども教育に関する理論や、発達心理学などベースとなるものが必要です。そこで、お茶の水女子大の上原先生や関西学院大学の教育学を研究されている栗山先生などにお話を伺い、エビデンスを作る共同研究も始めていこうと考えています。

さらに、夏休みの知育菓子®事業としてのコンテンツを作成しています。これは、夏休みに扱う教材に困っている先生方に、知育菓子®に関するオンラインコンテンツを販売するという事業です。

参加者:山内さんの思いをより多くの人に伝えるには、ベネッセと戦うのではなく、手を組んだ方がいいのではないですか?

山内氏:うちの社員にも「ベネッセと組んだ方が早い」と言われますが、ベネッセとは先取り教育を中心に力を入れている点において、考え方の路線が異なります。我々は最終的に、世界の子どもたちが共通して楽しめるような知育菓子®作りを目指しています。また、ベネッセはアジア圏を中心に展開していますが、我々はアメリカをターゲットとするビジネスプランを掲げてるという違いもあります。以上の違いから、我々は独自路線を進みたいと考えています。

参加者:LEGOは近しい分野だと思うのですが、知育菓子®の視点からだと、LEGO との共存や協働についてどのような考え方をもっていますか?

山内氏:LEGO はプラスチックの部品を組み立てていく中で自分の思いを表現することを大事にしています。そういった点では知育菓子®と通ずるものがあると考えています。また、LEGOには、子どもだけのものではなく、ファンクラブやファンサイトといった大人も楽しめワールドができています。LEGOは、子どもの頃に夢中になり、生涯続けられる価値を提供していて、我々もそのような大人のファンの方を取り込んでいきたいと考えています。

小城氏(ファシリテーター、九州大学ビジネススクール教授):山内さんはFCAでの半年間のプログラムを経て、ご自身の問題意識と、現在の問題意識について、どのような変化がありましたか?

山内氏:一番大きな変化は、やはり、当初はぼんやりしていた自分のやりたいことが、今までの経験を振り返り、それを言語化していくことで、明確になったということです。週1回の小城さんとのコーチングで、毎週考えていくということを会社人生30年近くなりますけれども、初めてやったということは非常に、私の中では貴重な経験だったというふうに思っています。

小城氏:コーチングでは、「want to」と「have to」の違いをよくお話します。他人の目は一旦横に置いておいて、本当に自分が何をしたいのか、自分がこれからのビジネスパーソン人生をかけて何をしたいのか、それを考えようではないか。これを我々は「want to」と言っているのです。

FCAではまずこの「want to」をしっかり見つけてもらう。組織にいるメンバーは「have to」ばかりになってしまって、自分の「want to」が見えてないことが大変多いんですね。ただその「want to」のヒントは必ずご自身の中にある。自分が本当にやりがいを感じるものは一体何なんだろうということをもう1回考えていただいて、掘り出していただいて、それを今の仕事に当てはめてみるということをやっていきます。


*Future Center Academy(以下、FCA):2020 年4 ⽉から第1期が始まったFCAは、参加者が「実際の経営課題」をテーマに、ビジネス経験豊富なプレミアムコーチによるコーチングの他、他の参加者や起業家とのワークショップ、合宿、アカデミープログラムを通して、求められる成果を出すまで伴⾛するプログラムです。


共創の会ランチセッションおよびFuture Center Tokyo では、今後もゲストをお招きし、参加者の皆様とのセッションを重ねながら、社会課題解決のための共創の場を提供して参ります。

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Future Center Academy事務局

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